ケーキ屋さんでマジパンをオーダー出来るお店、近くにありますか？意外と「無いです」という方も多いのでは無いでしょうか？本日はその理由について紐解いて行きたいと思います。

マジパン細工を作るには一定の技術が必要です

マジパン細工に限らずですが、細工菓子(飴細工・チョコレート・シュガークラフトなど)を作るには経験、そしてそれに伴う高度な技術が必要です。

商品としてお客様にご提供出来るレベルの物を早く、沢山作るということは誰でも出来ることでは無く、一定の技術レベルに達した職人でないと難しいのです。お菓子作りが出来てもマジパンが作れるとは限りません。

飲食業界全体の深刻な人員不足にも原因が

こちらは今や深刻な問題となっています。飲食業界どこもかしこも「人が足りない！」「募集しても人が来ない」「入ってもすぐ辞める！」飲食業界のオーナーさんや人事関係の方は本当に頭を抱える問題ですよね。

しかしながらこの状況は今後もあまり改善の方向には向かわない気がします…少子化が進む現代の社会ではどうしても若手の人材確保は難しいですし、働き方が多様化しているため副業したりすぐに他の仕事へ転職してしまう、という傾向もやむを得ない状況なのかな。と思います。

単純に「人が足りなくてマジパン細工まで手が回らない」という理由でお断りしているお店もあるかと思います。

レストラン、結婚式場、パティスリー

それぞれ「ケーキ」を取り扱っている業種ではありますが「マジパン細工専任スタッフ」がいるお店はまずほぼ無いでしょう。

しかしながらバースデーケーキにこどもをモチーフにしたマジパンを乗せたい。や、

ウェディングケーキに新郎新婦をモチーフにしたマジパンを乗せたい。というご要望は少なからずあるはずです。

その際に

・自店で作る

・外部に委託する

専任のパティシエがいない中、何時間もマジパンに費やしてほかのお菓子の仕込みを後回しにするのか。外部に委託してケーキの仕込みに力を入れるのか。

その選択によりパティスリー部門の仕事量が劇的に変わってくると思います。

果たしてどちらが効率的なのでしょうか。

こちらも大きな要因のひとつです。

街の個人経営のケーキ屋さんでマジパンを頼む場合、ケーキ+マジパンになる為マジパンの価格をそこまで上げられない、という現実があります。(ホールケーキ1台4,000円位で、プラスアルファでマジパンをつける場合1体4,000円になると言われたら付けますか？)

原価だけで考えれば500〜1,500円ほどかもしれませんが、前述したようにマジパン細工には高度な技術と製作に費やす時間が必要です。

レストランや結婚式場ではマジパン細工を使ったオリジナルケーキを依頼した場合、1体あたり5,000円〜1万円程かかります。

「本当はお客様のご要望にお応えしたいけれど現実的に難しい..」

そんな様々な理由から個人店のケーキ屋さんではマジパン細工をオーダーできるお店が減ってきているのです。

大袈裟かもしれませんが、今後AIが発達してお菓子作りがどんどん機械化されたとしても、マジパン細工などの繊細で高度な技術が必要な細工菓子はロボットには難しいと思います。

その技術を後世に引き継いでいくために私ができること、それがマジパンアーティスト®︎としてマジパンアートの世界を伝えていくことだと思っています。